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書籍の詳細

§6 認知コミュニケーション論
シリーズ名: シリーズ認知言語学入門
書名: §6 認知コミュニケーション論
にんちこみゅにけーしょんろん
ISBN(10/13桁): 4-469-21286-5 / 978-4-469-21286-0
著者名: 大堀壽夫 編 池上嘉彦、河上誓作、山梨正明 監修(おおほりとしお、いけがみよしひこ、かわかみせいさく、やまなしまさあき)
定価: 2,520円(A5判・312頁)
シリーズ
解説:
ヒトは必要に応じて、文が使われた場面や自らの経験・記憶などを想起し、さらには主体的に推論を働かせながら、能動的に意味内容を創り出している。文の文字通りの意味は、そこでは単なる手がかりの役を果たしているに過ぎない。新しい言語観を背景に、数々の興味深い成果をあげる認知言語学の、はじめての入門シリーズ。
  語用論を超えて
内容説明:
人がコミュニケーションを行うにはどのような仕組みがあるのか。ことばはどのように生み出され、そして理解されるのか。これまで語用論と呼ばれてきた学問を超えて、人間のコミュニケーションの背後に存在する心とことばのはたらきに迫る。
主要目次: はじめに

第1章 認知とコミュニケーション(大堀壽夫)
 1 はじめに
 2 コミュニケーションの成り立ち
 3 文の意味と発話の意味
  3.1 言語の知識
  3.2 文から発話へ
 4 語用論の基礎
  4.1 認知的アプローチ
  4.2 直示機能と省略の復元
  4.3 会話の原則と推論(i)
  4.4 会話の原則と推論(ii)
 5 語用論的現象の広がり
  5.1 発話行為
  5.2 前提(i)
  5.3 前提(ii)
  5.4 慣習的含意
  5.5 新しい理論
 6 談話の構成

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第2章 指示語の理解:英語のit とthat(高橋英光)
 1 談話の組み立てと指示語
 2 it とthat の使い分け
  2.1 現象1:互換性
  2.2 現象2:言い換え
  2.3 現象3:文中の役割分担
 3 語用論と機能言語学の分析
  3.1 語用論の分析
   3.1.1 Ariel(1988、1990) の分析
   3.1.2 Gundel、et al.(1993) の分析
  3.2 機能言語学の分析
  3.3 まとめ
 4 認知言語学の分析
  4.1 具体性の度合い
  4.2 際立ち度
  4.3 記憶の領域
 5 語用論と機能言語学と認知言語学の接点
 6 日本語の「それ/あれ」

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第3章 相・時制・法(樋口万里子)
 1 英語の節構造と時制、法、そして相
  1.1 英語の相
  1.2 進行形のメカニズムと相
 2 英語の時制の意味機能
  2.1 これまでの見方の限界
  2.2 認知文法の時制論
  2.3 英語の単純現在形のメカニズム
  2.4 単純現在形と遂行文
 3 英語の法
  3.1 現実と非現実:法助動詞の存在
  3.2 「過去形」の法助動詞

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第4章 節を超えて:思考を紡ぐ情報構造(樋口万里子・大橋 浩)
 1 節から文へ、そして談話へ
 2 条件文と談話をめぐって
  2.1 複文と図―地の区分
  2.2 情報構造と条件節・主節の談話機能
  2.3 対人機能
  2.4 まとめ
 3 節を超えた構造から見える日本語の時制
  3.1 日英語の時制
  3.2 日本語のコンテクスト依存性とル形/タ形の相対性
  3.3 小説に見られる時制現象
  3.4 ル・タ・ティル
  3.5 まとめ
 4 文とパラグラフの並行性に見られる日英語の言語化パタン

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第5章 レトリックの語用論(大森文子)
 1 レトリックと認知の仕組み
 2 命名のレトリック
  2.1 あだ名と認知
  2.2 命名の有契性
 3.レトリックに関する語用論的研究
  3.1 レトリックと語用論
  3.2 グライスの「会話の含意」論
  3.3 サールの語用論的解釈の原則
  3.4 リーチの語用論原理
  3.5 スペルベルとウィルソンの関連性理論
 4 レトリックと認知言語学

練習問題
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第6章 認知・談話・レトリック(大森文子)
 1. レトリック再考
  1.1 メタファー
  1.2 メトニミー
  1.3 対義結合
  1.4 シネクドキー
  1.5 転移修飾語
 2 レトリックと談話
  2.1 連句における談話
  2.2 和歌における談話
  2.3 時空を超えた談話のレトリック
 3 日英比較によるメタファー分析:水の流れを中心に

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第7章 ディスコースと文化の意味(松木啓子)
 1 言語のコンテクスト依存性
 2 「ディスコース」再考
 3 「文化」再考
 4 ディスコースと文化をめぐる二つの大きな流れ
  4.1 語用論的原理と文化比較
  4.2 ポライトネス
  4.3 「ことばの民族誌」におけるディスコースと文化の意味
  4.4 相互作用としての異文化間コミュニケーション再考
 5 ディスコースと文化の意味の広がり
  5.1 会話分析と意味の共同構築
  5.2 コンテクストからコンテクスト化へ
  5.3 記号論的視点と指標性

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第8章 物語の構造と発達(大堀壽夫)
 1 物語への関心
 2 物語の構造(i):筋の展開から
  2.1 プロップ:ロシア魔法民話の構造
  2.2 バートレット:物語の記憶と変容
  2.3 物語の「文法」
 3 物語の構造(ii):因果性と時間制
  3.1 筋立てから語り方へ
  3.2 物語の前景と背景
 4 他動性から見た言語化のパタン
 5 物語る能力の発達
  5.1 初期の段階
  5.2 時間性の現れ
  5.3 別世界の構築
 6 物語の社会的意味
  6.1 相互作用から見た構造
  6.2 物語の基本特性
  6.3 なぜ語るのか

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付録

参考文献
索引
  「本書は、私たちがコミュニケーションを行う背景にはどんな仕組みがあるのかという問いについて、一緒に考えていくために書かれたものである。それは「認知言語学(cognitive linguistics)」といわれるアプローチによって書かれている。ここで、認知という言い方について、少し説明しておこう。私たちがものごとを感じ、考えるようなこころのはたらき――そこには出来事を記憶したり、計画を立てたり、ものごとを分類したりする作業も含まれる――をまとめて認知活動とよぶ。私たちのコミュニケーションは、こうした認知活動の上に成り立っている。認知言語学とは、この点に注目して、「あることばが使われるとき、それはどのような感じ方や考え方を反映しているのだろうか?」という角度からことばについて考えていく。
……(中略)……
本書は認知言語学の中でも、特に次のような点についての関心をもって書かれた。
・人と人がことばを交わして理解するとき、何がこころの中で起きているのか。
・実際に使われることばは、会話であれ文章であれ、何かのまとまり、あるいはつながりをもっている。それはどうやって作られるのか。
・ことばのどんな要素が、コミュニケーションのどんな部分を成り立たせるためにはたらいているのか。
・ことばがものごとを描き出すとき、ことばの使い方によって独特の特徴づけがされる。それはどのようになされるのか。
・広く社会や文化という背景において見たとき、ことばはどんな意見をもつのだろうか。
・ことばを使って物語る能力はどんなものか、またそれは幼児のころからどうやって発達していくのだろうか。
もともと、言語学の古典的な分野の区切り方は、「音韻論」、「形態論」、「統語論」、「意味論」、「語用論」というものであった。この区分に従うと、本書の内容は「語用論」――実際に使われる場面で、どんな意図をことばが伝えているかを扱う分野――にあたるが、この言い方は本書ではとらない。その理由は、一つには、認知言語学は古典的な分野の区切り方を必ずしも受け入れていないからである。例えば、本書を見ればわかるとおり、単語の意味や文の構造なども、実際の場面で意図を伝えるためのはたらきをもっていることが理解されるであろう。もう一つの理由は、語用論という分野はそれなりの伝統があり、扱われるテーマも確立しているということである。すぐれた入門書も出ている。そこで、本書ではすでに論じられていることをまた取り上げるよりは、これまでになかった角度からことばの使われ方について考えることにした。……」(本書「はじめに」より)
【シリーズ】
『シリーズ認知言語学入門 全6巻』 ※「4 認知文法論I」は未刊
  「1 認知言語学への招待」
  「2 認知音韻・形態論」
  「3 認知意味論」
  「5 認知文法論II」
  「6 認知コミュニケーション論」
この本の
キーワード:
コミュニケーション、語用論、談話、相、時制、法、レトリック、認知言語学、機能言語学、メタファー、メトニミー、ディスコース、コンテクスト、日英語

 
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