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Copyright (C) 1999
大修館書店
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書籍の詳細
書名:
日本語の格と文型
にほんごのかくとぶんけい
結合価理論にもとづく新提案
ISBN(10/13桁):
978-4-469-22185-5
著者名:
小泉保 著(こいずみたもつ)
定価:
3,570円(A5判・336頁)
日本語構文論に新地平を切り拓く意欲作
内容説明:
音声学とフィン・ウゴル語の研究から出発し、その後、考察の対象を意味論・語用論へと広げてきた著者が、その探究の集大成というべき形で日本語の統語論に挑んだ意欲作。各国語ならびにヨーロッパの言語理論にも通じた著者ならではの幅広い視点から、テニエールの結合価理論を再評価し、言語の格にかかわる内外の研究を博捜してそれらを検討し直したうえで、日本語の格と文型について斬新な分析と考察を展開する。
主要目次:
まえがき
1 助詞「ハ」と「ガ」の問題
ハとガ別類
大槻文彦による助詞の分類
山田孝雄による助詞の分類
橋本進吉による助詞の分類
湯沢幸吉郎による助詞の分類
芳賀綏による助詞の分類
鈴木重幸による助詞の分類
松下大三郎による助詞の分類
佐久間鼎による助詞の分類
三上章による助詞の分類
益岡・田窪による助詞の分類
ハとガ同類
時枝誠記による助詞の分類
助詞ハとガの用法
久野暲によるハとガの用法区分
益岡・田窪による「取り立て」
助詞ハとガの構文
山田孝雄による二重主語
佐久間鼎の解釈
ハとガをめぐる山田説、佐久間説、久野説の比較
格助詞をめぐる諸説のまとめ
2 格と格助詞
格の理論
イェルムスレウの格分析
方向性の次元
論理的対立
現代英語の格体系
連帯の法則
格の定義
フィルモアの格文法
深層格と表層格の区別
深層格と変形操作
多様な表層格
意味的要素としての格
チェイフによる動詞を中心にした意味構造分析
形容詞も名詞も述語になる(述語化辞)
アンダーソンの格文法
格形式と格関係
クックの格文法(格役割)
グルーバーの主題関係
主題関係と位置移動
所有移動と設定移動
ジャッケンドフの意味関数と項
存在論的カテゴリー
文の意味と関数構造
分野
変形文法に抱き込まれた主題関係
θ(シーター)役割
格理論の不備
主題役割という用語
主観的な優先規則
認知言語学における役割原型
意味格と形態格
格とは何か
《コラム(1)》能格言語
3 日本語の格と格体系
日本語の格はいくつあるのか
日本語の格助詞の目録
名詞的行為項と副詞的状況項の助詞
日本語の格助詞はどのような体系を組むか
格体系の研究
格を増幅させる方式
日本語の格助詞はどのような体系を組むか
格と受動形
日本語の格と意味役割
副詞節の用法に見られる格系列
副詞節
接続詞と前置詞
助詞ハとガの文法的構造
助詞ガと助詞ハの交替
助詞ガと助詞ハの統語的操作
無理な「象の鼻が長い」こと
状態と行為の構文
《コラム(2)》意味関数
4 結合価文法概要
文の分析方法
文の中核
図系の行為項
状況項
実辞と虚辞の区別
能動と受動の働き
疑問と否定
疑問文
否定文
転用
第1次の転用
動詞の名詞化――不定詞による方法
形式名詞による転用
動詞の形容詞化((V)>(A))
分詞による方法
不定詞による方法
動詞の副詞化と省略転用について
第2次の転用
動詞(V)>名詞(N)[動詞節の名詞節化]
動詞(V)>形容詞(A)[動詞節の形容詞節化]
動詞(V)>副詞(Ad)[動詞節の副詞節化]
述語と準動詞
構文の種類
行為構文と状態構文
存在構文と所有構文
助動詞の構文
助動詞
フランス語と英語の助動詞
法助動詞
日本語の法の助動詞
日本語の接尾辞型助動詞
使役文と受動文の構造
授受動詞の構文
使役と授受動詞の補助的用法
《コラム(3)》「ある」と「ない」の違い
5 話線
構造系列から線状系列への切り替え
求心的関係と遠心的関係
従属項と支配項
述語を中核とした遠心型と求心型
図系から話線へ
行為項の配列
文法的一致
構造系列における語の配列
変列
連接
6 文の種類
結節の種類
動詞文の構成
形容詞文
述語的形容詞
修飾的形容詞
名詞文
名詞補語と形容詞補語
7 日本語の述語
述語とは何か――山田孝雄の定義と分類
指定の助動詞
述語の内容
形容詞述語
名詞述語
述語の構造
述語化辞
述語と文種
排他性
名詞述語の図系
述語と図系
日本語の図系
英語の図系
図形と意味
形式名詞の構造
形式名詞「もの」
形式名詞「こと」
転用体の「の」
他の形式名詞述語構文
《コラム(4)》派生から転用へ
8 文型
結合価
文型の研究
英語の文型
自動詞・他動詞の区別と結合価動詞
ドイツ語
日本語の文型
単文の文型
結合価と日本語の文型
9 形容詞の文型
形容詞文型の研究
ドイツ語の形容詞
英語の形容詞
日本語の形容詞
「~ハ~ガ…」の文型をとる動詞
文型による形容詞の分類
形容詞の文型タイプ
名容詞(形容動詞)の文型タイプ
《コラム(5)》形容動詞を「名容詞」とする
10 動詞の文型
1価動詞
2価動詞
3価動詞
4価動詞
動詞文型のまとめ
結合価文法の効用
理論面の効用
実用面の効用
《付録1》夏目漱石著『坊っちゃん』の冒頭部構造分析(図系化)例
《付録2》最多格言語タバサラン語の名詞格体系
参考文献
あとがき
索引
本書は、結合価理論の創立者ルシアン・テニエールの学説のたんなる受け売りではなく、そこに改良を加えて、日本語の格体系を取り出し、動詞と形容詞の文型を設定し、さらに、結合価理論を活用して文の構造分析を行なう具体的な方法を紹介しておいた。
・・・<中略>・・・
本書は、格の本質を追求して、日本語の格助詞を取り出し、その体系を組み立てる作業を終えてから、結合価理論を紹介することにした。いままで、結合価理論は断片的にしか伝えられてきていない。本書では、この理論の要点を全面的に解説し、その実用化がはかられている。最近まで、結合理論については、動詞述語が要求する行為項に関してのみ議論が集中していた。だが、テニエールは「転用」という操作を重視している。転用とは、動詞、名詞、形容詞、副詞のような文法カテゴリーを切り換える方法である。転用の運用方式が理解されれば、日本語文の構造図式化も容易となり、その文法分析にも転用の応用が可能となる。本書は、この面に力点をおき、いくつかの分析サンプルを提示した。
もし、本書に紹介されている統語の分析方法を理解していただければ、日本語と英語はもちろん、いかなる言語のいかに複雑な文でも、その統語構造を取り出すことができると信じている。
・・・<中略>・・・ 本書は、日本語の動詞と形容詞および形容動詞の文型化を及ぶかぎり推進してみた。だが、力量不足で完成には至っていない。結果については、読書諸氏のご批判を仰ぎたいと思っている。(「まえがき」より)
この本の
キーワード:
格文法、格分析、格理論、格体系、格役割、格系列、結合価、認知言語学、転用、結節、話線、変列、連接、意味格、形態格、格助詞、能格言語
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