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Copyright (C) 1999
大修館書店
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書籍の詳細
書名:
スナップショット
すなっぷしょっと
写真の輝き
ISBN(10/13桁):
978-4-469-23262-2
著者名:
倉石信乃 著(くらいししの)
定価:
2,310円(四六判・288頁)
写真家たちの瞬間の魔法をときあかす
内容説明:
被写体や現場に断りなしに撮影し公表することで、人間と空間の特性に迫ろうとするスナップショット。日本の優れた写真家が得意としてきたこのスタイルは、いまや勢いを失いつつあるのでしょうか? スナップショットの歴史を見つめながら、人やものの瞬間の姿を写しとり写真の輝きに変える、写真家たちの試みに迫ります。
主要目次:
監視とスナップショット
かつてストリート・スナップが持っていた演出なきドラマ性、そういうものがあからさまな演出によって完全なシナリオのもとに表現される文字通りの「演劇」になりました。
彼女のワンピース
被爆資料と写真の現在
壊れた洋服として撮る。スーパーのチラシみたいに、荒っぽくやってみる――土田ヒロミ
私にとっての広島は1945年8月6日のヒロシマではなく、1978年以後の、ぽっかりがらんとした広島のことである。――笹岡啓子
遭遇の技術
北島敬三のスナップショット
中間調子ゼロの版画のような写真を見て「もっとストレートに撮れないの」と言ったら、「これがストレートじゃないですか」と胸をはって言い返した。――長谷川明
最低10年たってから、できればソ連という国が忘れ去られた頃に発表したいと思ったんです。そうすれば、この人たちの存在感がもっと浮かび上がる。それが写真でできることじゃないかと思った。――北島敬三
彼女あるいは私の分身
石内都「Mother's」
この「温室」の写真は、私にとって、・・・・・・母の実体とも一致するし、また、母の死を悼む私の悲しみとも一致する。――ロラン・バルト
今この目の前にある写真は過去の古い記念品としてあるわけでなく、ひとつの悲しみのカタチとして、現実的な出来事の結果として、存在する写真なのだ。――石内都
実家、あるいは表象のステージ
安村崇「日常らしさ」
表面だけが輝く、それが写真だ。
群衆は見えない
土田ヒロミ「新・砂を数える」
人間が砂と物理的に等価となりうることを決定的に明らかにしてしまったホロコースト・・・・・・死者たる群衆は、その最終段階でかろうじてわずかに目撃され、映像化されたに過ぎない。
すべての/ひとつのポジション
「日本の写真におけるさまざまな位置」展への感想
沖縄という、大国のエゴに翻弄されてきたマージナルな場所で生育し、いまもそこに暮らす石川の作品を、遠隔地のグラーツで見ることは、日本写真という枠組みの恣意的なあり方に対する変更を迫る手がかりとなりました。
Ruin/Desolation Row
廃墟と写真をめぐって
想い入れもない、構成もない、ドラマもナラティヴも消え去っている。建物と自転車と看板と電線の区別さえない。すべての物品の表層から由来や名称が消えている。――磯崎新
建築の達成は、それとちょうど同程度に優れた写真の達成によって表象されるのを待っているのだ。――リチャード・ペア
ネガの手の叫びのために
石川直樹「NEW DIMENSION」
イメージを取り替えつつ変質させ、形成するとともに変形し、混合しながら分離し、陰蔽しながら変態させる・・・・・・――ブラッサイ
絵具というスティッキーな媒材から解放され、光それ自体を直接扱っている――マン・レイ
写真のシアトリカリティ
きたるべき世界の没落のあとまでもちこたえることを期待されていることばのなかに、追われる人間が大急ぎで塀に書きなぐってゆくアピールのかたちが、定着しているのだ。――ヴァルター・ベンヤミン
芸術家であるとは、他の何人もあえて失敗しようとはしないやりかたで、失敗することにほかならぬということ、失敗こそ芸術家の世界であり、それから尻込みすることは戦列放棄、工芸品作り、マイ・ホーム、生活にほかならぬということ――サミュエル・ベケット
写真史へのコメント
あなたはシャッターを押すだけ、あとはわれわれがやります。――イーストマン・コダック社宣伝
私が写真を撮らなければ、誰も気づかなかったことがあると、本当に信じています。――ダイアン・アーバス
カメラはカルトやイズムを全く顧慮しない。それは無関心な機械の眼であり、いつでも見える何かを食らいつくすことができる。――ロバート・スミッソン
いまも第二第三のラルティーグが発見を待っている。
監視の現在+ウォーカー・エヴァンズの「超越」
ただひとり私だけが、この瞬間に、それを捉えることができる。つまりこの瞬間のみ、であり、かつ私だけ、なのである。――ウォーカー・エヴァンズ
あとがき
初出一覧
掲載写真一覧
写真のglance(輝き)は、確かにカメラのレンズの目の glance(一瞥)、機械の blink(まばたき)の成果である。写真は、自分の力だけでも他人の力だけでもない、第三項であるカメラという中立的な機関による調停へとおのずと差し出された、特異な力の集まりによってできている。しかしこの写真の輝き=一瞥を、機械の仕業と言いつのるべきではないし、人間の意志の賜物とのみ理解すべきでもない。マシニズムとヒューマニズム、どちらかに重心をおいて見ることに抵抗しなければならない。
本来、「私」と世界をめぐる係争と調停には終わりがない。もうとっくにマニュアルは役に立たなくなった。いまや、よりいっそうむずかしくなったこの仕事を、シリアスな写真家ほど、ただ一心に続けようとしているように思える。私は、写真のグランスによってその都度見いだされ、かたち作られる写真家という存在の仕方に信頼を寄せるものである。(『あとがき』より抜粋)
この本の
キーワード:
写真論、写真史、写真家、撮影、カメラ、ストリート・スナップ、映像、劇場、演劇、美術、芸術、監視、表象、イメージ、ドキュメンタリー、建築、群衆、広島
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